詩経の世界へいざ、now

祝うものである。各章は変化が極端に少ない。変わったのは「鳩」と「百両」に関するそれぞれ二文字だけ。似たような言葉やリズムの反復で新婚のめでたさが強調される。『詩経』の最古の注釈本《毛伝》では、この作品が「君主の夫人の結婚をことほぐ歌」とされている。まずは表現のこと。「維」は「これ」や「ここ」
で発語の助字。「鳩」に使われる動詞「居」は「いる」、「方」は「房」で、部屋を占めることで、「いる」との意に転じる。「盈」は「満たすという意味で、付き人が多いことを示す。指示詞の「之」は各章に三回登場するが、「鳩」のうしろに出ている「之」は「ここ」で場所を指す。「之子」の「之」は「この」、そして「御之」「將之」「成之」の「之」は前文に出ている「この子」「このむすめ」のこと。「于歸」は「嫁ぐ」、「ここに嫁ぐ」の意。「之子于歸」は、「この娘が嫁ぐ」の意を示す決まり文句である。小欄で以前に取り上げた「周南・桃夭」の「桃之夭夭,灼灼其華。之子于歸,宜其室家。」にも、同じ表現が見られる。「百兩」の「百」は実際の数ではなく、「たくさん」を意味するもので、「たくさんの車」との意。「御」は「迎える」。「將」はここでは動詞で、「送る」との意。次は、比喩として選ばれた鳥のことについて。

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