担い手の継承

その地域に残された文化を知る為には、かつてその地域にいた人たちが、何を心の支えに生きていたのかを知る必要がある。文化というのは、その地域の生活の中で育まれ、どれほど価値あるものが他所から来たところで、自分たちの生活に必要が無ければ、それを生活の中に取り込むことはない。今回、日本各地に残された媽祖信仰の跡地を巡る旅の中で、不思議と媽祖信仰と仏教の禅宗は、
共にある地域が多かった。僕が初めて日本で媽祖堂を拝見したのは、長崎の東明山興福寺。興福寺は中国臨済の正統継承者の系統である禅宗、黄檗宗のお寺だ。徳川光圀によって、興福寺に逗留した東皐心越は、水戸の寿昌山祇園寺の開山になっている。東皐心越もまた、中国曹洞の正統継承者であり、禅宗の僧。繰り返しの念仏を唱えない禅宗の修行僧は、それぞれの生活の中に修行を見出し、悟りを開くようだが、これを禅宗の修行僧では無い自分が、軽々しく伝えることはで

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